Workflow Manager を使用すると、社内でドキュメント取扱いに関する明確なルールを作成することができます。DocuWare システムに実装されているドキュメントに基づいたワークフローを使って、作業プロセスを制御することができます。これにより、タスクが素早く効率的に実行されるため、社員の負荷が軽減し、日常のビジネス業務が簡単になります。
Workflow Manager は 2 つの関連機能で構成されています。
Workflow Designer: Workflow Designer を使って、あなたまたは管理者が組織のワークフローをデザインできます。
ワークフロータスク:あなたに割当てられたすべての ワークフロータスクは、DocuWare Web Client のワークフロータスクリストに載せられます。
Workflow Manager を使う際、以前作成されたシステム設定がいつも実行されるため、ワークフローの新しいインスタンスは毎回作成されます。主に、どのタスクを完了しどのディシジョンがなされるべきかがワークフローシステム設定で指定されます。ユーザーまたはロールに加えて、タスクも代理ルールに割当てることができます。代理ルールは、例えばコストセンターのような、人々のグループを含んでいる抽象的なジョブの責任を割当てることができます。この後、タスクは「在席」と表示されている最初の社員に自動的に割り当てられます。これは、特定のユーザーが存在するかどうかにかかわらず、各ワークフローが完了に向けて正常に進行することを意味します。エスカレーションレベルは、タスクの完了期限を設定し、タスクが未処理の状態で長く放置されていた場合に何が生じるべきかを決定します。
権限管理には主にデザイナーとコントローラーが含まれています。デザイナーはワークフローのデザイン・編集・削除ができます。ワークフロー内で、コントローラーは参加者がまだ開いているすべてのタスクを概観し、いつでも制御できます。
DocuWare Workflow Manager は、すべての DocuWare Cloud のライセンスに含まれています。DocuWare をローカルにインストールして使用する場合、DocuWare Workflow Manager はアドオンモジュールとして利用できます。
Workflow Manager をインストールする
Workflow Designer は、PC にローカルにインストールするデスクトップアプリです。DocuWare Client のメインメニューから、Install Desktop Apps インストールウィザードを呼び出します。
DocuWare Client の [タスク] タブは、デフォルトで表示されます (読み取り専用の定額ライセンスの使用時のみ、タブが表示されません)。
Workflow Designer でワークフローをシステム設定する
Workflow Designer でワークフローシステム設定を作成・編集します。主に次のエレメントを指定します。
トリガー: どのイベントが新しいワークフローインスタンスを生成するかを指定します。これは DocWare ファイルキャビネットに保管された新しいドキュメントや、修正された保管済みドキュメントなどが相当します。
ワークフローは、スケジュールによって起動させることも可能です。この場合、最大で 100 個のドキュメントとなります。タスク: タスクを定義し、それをユーザー、ロール、あるいは代理ルールに割当てます。
ディシジョン:例えば、請求書を承認すべきかあるいは拒否すべきかなど、タスク内でどのディシジョンのオプションが責任のあるユーザーへ与えられるかを指定します。
リマインダー:責任をもったユーザーにタスクのリマインドをいつするべきか、あるいはいつタイムアウトによりこのタスクが再割当てされるべきかを決めます。
接続:ドキュメントがワークフローを通過する間外部ソースからのデータにアクセスすべきかどうか、もしそうであればどのデータかを決めます (例えば税務ソフトウェアデータベースからの請求書金額など)。
Workflow Manager が組織で使えるようにするには、まずワークフローシステム設定を Workflow Designer で作成する必要があります。これらのシステム設定はワークフローを設計する権限のあるすべての DocuWare ユーザーがセットアップできます ([DocuWare 構成] > [ユーザー管理] > [ユーザー x] > [機能プロファイル])。システム設定はこのように中央管理的に作成され、それから特定のユーザー、ロール、代理ルールへ割り当てられます。
DocuWareバージョン7.11以降では、置換ルールと置換リストは、DocuWare構成 > ユーザー管理で作成されます。
DocuWare Client でのタスク処理
DocuWare Workflow Manager を使用して作業を行うと、DocuWare Client にも処理を待っているワークフロータスクのリストが表示されます。それぞれのワークフローには独自のタブがあり、関連するタスクがリストに表示されています。Workflow Designer では、このリストの表示方法を指定します。新しいタスクが追加されたり、タスクが完了したりすると、リストが自動的に更新されます。ワークフロータスクのリストを手動で更新する場合には、タイトルバーで対応するアイコンをクリックしてください。
タスクリストの右上にある 3 つの点をクリックすると、より多くのオプションが表示されます。タスクリストのリンクを取得するか、タスクリストを CSV ファイルとしてエクスポートします。
ワークフロータスクのエリアは、上部にあるナビゲーションバーとメニュー、中央にあるタスクリスト、下部にある決定事項のエリアに分かれています。
ナビゲーションバーでは、すべてのワークフローにそれぞれのワークフローの名前と、割り当てられているタスクの数が表示される独自のタブがあります。
DocuWare Version 7.12では、文書のワークフロー履歴を参照する必要があるユーザーは、少なくとも次のファイルキャビネット権限のいずれか1つを付与されている必要があります。検索
文書の表示
ワークフローの履歴には、ワークフローを処理する際にどのユーザーがどの決定を行ったかが表示されます。
DocuWare Ver.7.11 では、ワークフローの履歴に加えてディシジョンの履歴が利用できるようになりました。ディシジョンの履歴はビューアーのサイドバーに表示されます。ワークフローの中でドキュメントに対して行われたすべてのディシジョンがこの場所に一覧表示されています。 ディシジョンの履歴は、ワークフローを実行する (した) すべてのドキュメントについて呼び出すことが可能であり、ワークフローが完了したドキュメントに対してさかのぼって呼び出すことも可能です。両方の種類の履歴において、すでに送信済みのリクエストに対しても現在のタスクが表示されるようになりました。
再割り当て機能は、Workflow Designer でワークフローごとに有効化 (無効化) することができます。この機能は、デフォルトでは有効化されています。
決定事項は、リストで選択されたそれぞれのタスクの一部です。タスクに対して選択可能な決定事項と詳細情報は、Workflow Designer で構成されます。
DocuWare Client からリクエストを送信する
ドキュメントについて同僚やビジネスパートナーに短いリクエストを送信する場合には、リクエストの送信機能が最適です。この機能では、DocuWare Client から直接特定のドキュメントに関するリクエストを送信することができます。こういったリクエストは、Workflow Designer で標準のワークフローをセットアップするのが面倒な 1 回限りのプロセスや、あまり発生しないプロセスに適しています。
例:
財務部長が、会社のビルの賃貸人と新しいリース契約についての交渉を行っていました。最高経営責任者 (CEO) の承認を得るため、彼女は CEO にリクエストを割り当てました。彼女は、メールの件名と詳細な内容に加えて、決定しなければならない内容を指定しました。CEO はメールを受け取り、自分のタスクの中からリースを承認するか、それとも拒否するかを決定します。財務部長は、「割り当てられている問い合わせ」にある決定事項をすぐに確認することができます。
あるチームリーダーが興味深いニュースレターを受け取り、それを 3 人のチームメンバーにメールで転送したいと考えています。3 人全員が、ニュースレターを読んだことを確認しなければなりません。チームリーダーは、この同僚に関連情報が記載されたリクエストを割り当てます。3 人全員が同じメールを受け取り、それぞれが個別にドキュメントを読んだことを確認します。チームリーダーは、誰がすでにリクエストを完了しているのかをすぐに確認することができます。
リクエストの送信機能は、結果リストまたは保存済みリストのコンテキストメニューにあります。コンテキストメニューのエントリは、1 件のドキュメントが以前選択されていた場合にのみ表示されます。ビューアーで既にドキュメントを開いている場合には、「ツール」の下にある「リクエストを送信」ボタンをクリックします。
リクエストのオプションで、受信者にメールで追加の通知を行うか、または Web Client でのみ通知を行うかを定義します。ユーザーが決定にスタンプを使用できるようにしなければならない場合には、こちらで定義することも可能です。
リクエストのコンテキストメニューにあるオプションは、割り当てられたファイルキャビネットのデフォルトの結果リストにあるオプションと同じです。結果リストの設定で機能が非表示になっている場合には、リクエストのオプションでも表示されません。
リスト内で複数のリクエストが選択されている場合には、印刷、, ダウンロード、メールで共有オプションはご利用いただけません。
ワークフローのベストプラクティス
ワークフローを作成する際には、Workflow Manager を使用しているときに DocuWare システムが最高のパフォーマンスを発揮できるように、以下の点を考慮する必要があります。
インデックスデータと変数
ワークフローは、Workflow Manager のインデックスエントリを介して制御されません (Task Manager モジュールとは異なります)。これはワークフローの進行中にインデックエントリを変更する必要がないことを意味します。
ドキュメントのインデックスデータから値が必要な場合は、インデックス値を一旦変数に代入することをお勧めします。その後、個々のワークフロー内で変数にアクセスして作業することができます。これは、電子メールのテキストを作成する場合にも当てはまります。変数のみをテキストに統合する必要があります。インデックスフィールドにアクセスするには、変数を統合するよりもはるかに多くの時間とリソースが必要になります。
ワークフローの実行中にインデックスデータを変更する必要がある場合は、次の 2 つのオプションがあります。
タスク内の場合: タスクを完了したユーザーを使用します。インデックスデータを変更するには、このユーザーにファイルキャビネットに対する権限を付与する必要があります。インデックスデータの変更中にエラーが発生した場合、タスクは完了しません。Web Client ではユーザーにエラーメッセージが表示されます。
データを割り当てるアクティビティを使用する場合: 開始アクティビティで指定したユーザーが自動アクティビティに使用されます。インデックスデータを変更するには、このユーザーにもにファイルキャビネットに対する権限が必要になります。ンデックスデータの変更中にエラーが発生した場合は、ワークフローコントローラーにタスクが転送されます。
変数の開始値がテキスト変数の場合は「」、数値変数の場合は「0」になります。日付変数はプリセットされていません。他の開始値が必要な場合は、データを割り当てるアクティビティを使用して事前に割り当てておく必要があります。
スタンプ
ワークフロー履歴は、ワークフローで行われたディシジョンを追跡するのに適したオプションです。このため、ワークフローのスタンプは Workflow Manager で必要なくなりました。また、パフォーマンス上の理由により、スタンプの使用はできるだけ控える必要があります。
メール通知
メール通知は、ドキュメントやタスクごとに個別に送信されます。通知は、定期的に DocuWare で作業しないユーザーにのみ設定してください。
外部データとデータベース
ワークフローが外部データ (他のファイルキャビネットまたは外部データベース) にアクセスする必要がある場合は、最適なパフォーマンスを得るために、1 つの結果のみが返されるように SQL クエリを定義することをお勧めします。
外部データベースにクエリを実行し、SQL クエリでワークフローの変数を使用する場合は、外部データベースの列がテキスト列であることを確認してください。この場合、変数を引用符で囲む必要があります。
対照的に、DocuWare の数値フィールドは、小数点以下の桁数が指定された整数です。
タスクをユーザー、ロール、代理ルールへ割り当てる
タスク:
タスクをユーザーに割り当てると、このユーザーだけがタスクを表示できるようになります。
タスクをロールに割り当てると、このロールのすべてのユーザーがタスクを表示できるようになります。ユーザーがこのタスクを開くと、すぐにロックされます。完了すると、他のユーザーからは見えなくなってしまいます。
タスクを代理ルールに割り当てると、代理ルールの 1 人目のユーザーだけがタスクを表示できるようになります。このユーザーに「オフィス不在中」のフラグが付けられている場合、タスクはリスト内の次のユーザーに転送されます。
パラレルタスク:
パラレルタスクを 1 人のユーザーに割り当てると、このユーザーだけがタスクを表示できるようになります。
複数のユーザーにパラレルタスクを割り当てた場合、すべてのユーザーにタスクが表示されます。終了条件を定義していない限り、ユーザーがタスクを完了する必要があります。
パラレルタスクを代理ルールに割り当てると、代理ルールの 1 人目のユーザーだけがタスクを表示できるようになります。このユーザーに「オフィス不在中」のフラグが付けられている場合、タスクは次のユーザーに転送されます。
システム変数「現在のユーザー」と「タスクユーザー」
[現在のユーザー] 変数と並んで、[タスクユーザー] 変数もあります。ユーザーに割り当てる場合は、[タスクユーザー] 変数を使用することをお勧めします。