ドキュメントの真正性の確保に基づくビジネスプロセスの保護

私用か公務かを問わず、商品や情報を提供または交換する際に欠かせないものは信頼です。契約書などの取り決めにおいてこの信頼の証となるのが署名です。

かつては紙とペンで行われていましたが、今では電子署名を利用できます。手書きの署名と同様の効力を発揮し、世界中でビジネスパートナーとの拘束力のある約束に使用されています。距離がどれだけ離れていても、署名によりドキュメントの法的な信ぴょう性を示すことができます。

ほとんどすべての業界では、ホームオフィス、モバイルオフィスなど、さまざまな場所から業務を行う従業員を採用しています。

ドキュメントの法的な証明を可能にし、ビジネスの継続性と生産性を確保できるようにするクラウド署名は、企業の成功に大きく貢献します。

ドキュメントの完全性と真正性の実証

私たちは毎日大量のドキュメントを作成したり受信したりしています。なかには、ビジネスや公務において証明が不要なドキュメントもあります。契約書などのドキュメントは、ドキュメントの拘束力を裁判所に認めてもらうため、法に厳密に準拠させる必要があります。業界、プロセス、優先事項、会社の所在地、および提携先に応じて、法的な信ぴょう性を確立するためのルールは異なります。

電子署名を使用すると、以下に示す 3 つの重要なポイントを証明できます。

  • 真正性:ドキュメントが本物であること。

  • 完全性:ドキュメントの内容が改ざんされていないこと。

  • オリジナル:ドキュメントの作成者を特定できること。

ネットワーク化されたビジネスおよびリモートワークにおける電子署名の役割

ビジネスドキュメントの使用は現在、物理的な企業オフィスに限定されません。ホームオフィスやモバイルワークでも使用されます。このような分散環境では、どれだけ距離が離れている場合でも、拘束力と法的信ぴょう性を確保する必要があります。電子署名は、従業員がどこからでもすぐに任務を遂行できるようにします。印刷手段がないために従業員が外出先からドキュメントに署名できず、プロセスを中断させてしまう、というようなことはありません。          

場所に依存しない、法に準拠した取引の実行

法的モデルの厳しさは地域によって異なります。1 つ言えることは、デジタル証明書を生成するハードウェアセキュリティモジュールは、安全性の高いクラウドインフラストラクチャに配置できるということです。          

かつては物理的なスマートカードやカードリーダーが必要でしたが、今日では、明確なセキュリティ基準に従って認定および検証された署名プロバイダーを介してこれらのハードウェアにアクセスできます。このため、署名プロセスの実行中に交換されるデータの安全性も確保できます。

任意のデバイスを使用した署名

電子署名を自動化されたワークフローに統合することで、企業は使用しているデバイスに関係なく、法的に安全な方法ですべてのプロセスを完了することができます。この統合により、会社と顧客が所有しているコンピュータ、タブレット、およびモバイルデバイスを使用して署名を行うことができます。

取引データは安全に保護されます。最新の署名を使用すると、企業は情報セキュリティとデータ保護の両面から、各地域のコンプライアンス要件を満たすことができます。

認証および ID の送信

契約書などの多くのドキュメントは、組織内の 1 人の担当者によって作成および署名された後、組織外の担当者によって連署されます。このような場合によく使用されるのは、高度電子署名です。一般的に使用されているのは、アクセスコード、電話、または       SMS を使用して確認する方法や、ナレッジベースの認証を用いる方法です。    

ただし、署名の要件によっては署名者の ID の確認が必要になる場合があります。このような場合は、適格電子署名を使用することをお勧めします。この検証ではユーザーを認証するサードパーティプロバイダーを使用して実行されるため、署名時にユーザーの       ID を確認できます。
詳細については、世界における電子署名を使用したコンプライアンスの確保 を参照してください。    

意思決定の際に考慮すべきこと

会社で電子署名を使用する場合は、次の点について特に検討する必要があります。

  • ドキュメントの完全性と真正性を証明するのに適した署名ソリューションかどうか。

  • 署名プロセスは、リモートワークの従業員も含めた自動化されたワークフローで行われるのか。

  • 顧客が所有するデバイスと会社が所有するデバイスの両方で署名が行えるソリューションかどうか。

  • 複数の異なるセキュリティレベル (高度電子署名または適格電子署名) で署名できるソリューションかどうか。

  • 署名プロセスで使用されるデータが、法に準拠した方法で目的のデータ保護領域に保管されるかどうか。

  • 安全性の高いハードウェアセキュリティモジュール (HSM) が使用されているかどうか。